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明治三十年前後の大阪
−御霊文楽座楽屋口秋深き雨の夜、人形遣い玉二郎と呂昇運命の出会い。
人形の頭はもちませぬが、糸と語りなら、お手伝いできまする。 修業に明け呉れる道の長さを恐れても いつかは着かん花の野に 共に歩かん 芸の道
呂昇の語る壷坂に傘の柄を人形代わりに稽古に励む玉二郎
ついに想いを告げる玉二郎に呂昇は後家の身である事を打ち明ける。
なくてはならぬわが命、呂昇わしはお前を嫁にする。
玉二郎の一途な言葉に呂昇の心は解き放たれる。
播重席の楽屋。来てはならないところやが、こずにはいられなんだ。
今日師匠から、直々に、人形の手を遣わせてやるとのお言葉をいただいた。
玉二郎の朗報に胸はずませ舞台を努める呂昇、真打ちを妬む東延のたくらみが!
糸の切れた三味線を前に師の呂太夫に不始末を詫びるその時、玉二郎の存在を師匠に気ずかれ、恋か芸か二つに一つの選択を、、、
雪の境内、愛想尽かしをする呂昇
それは、そなたの本心か!
ああ、本心
お前の気持ちがそこまで落ちたら、
もう何も…。
そなたは思い切る気でも、
わしゃ…。
雪が降りしきる中、呂昇は地べたに座り一心に三味線を弾く。
by Naoko Ukibe